先日娘と、とあるホテルのレストランにランチに行ってきました。
そこは割とメジャーな、5つのお星さまがついているホテルのレストランで、お値段もそれなりのランチでした。
そこでお食事して感じたことは…あと一言あれば、私の不安は生まれなかったし、不満をいだいて帰ることにならなかったよねってこと。
あなたも気づかないうちに、なにかしら言葉が足りないことでお客様に不安や不満を感じさせてしまい、次のチャンスを失っているかも知れません。
今回は、私の体験をもとに感じたことをお話します。あなたのビジネスがもっと上手く回るための気づきにつながればと思います。
余裕がなさそうなウェイターさん
そのレストランのランチコースはそれなりに人気らしく、二部の入れ替え制でした。
後半の部の私たちは割と早めの方で入店。最初のお料理はすでにセッティングされていました。
そこにウェイターさんがやってきて、お料理の説明と飲み物やこれから出てくるお料理の話や追加オーダーの話などをしてくれました。
こうして書いたものを見ていただいてもわかると思いますが、情報量が多いですよね。
これらをしっかり聞いて、理解して、お店側の望む行動を取ってもらおうなんて、無理なことだと思うんですけど。
しかもモジョモジョ話すので、何を行っているのか今ひとつ聞き取れない…
さらに次々にやってくるお客様の対応に追われている様子で、余裕もなさそうな雰囲気でした。
そんな中、お水を持ってきてほしくて、歩いていたウェイターさんにお願いしたのですが、待てど暮せどやって来ません。
「忘れちゃったのかな」と思い、しばらくしてお料理を持ってきてくれた別のウェイターさんに、再びお願いしてみたのです。
でも、やっぱりいくら待ってもお水はこないわけです。
それにも関わらず、そのウェイターさんたちは、ひたすらお料理を運んでいたり、片隅で休んでいたりしているではないですか。
「忘れちゃったのか?」と不安になりつつ、でもすでに二人にも声をかけているわけなので、もう一度別の人に…とは流石に思えませんでした。
仕事が割り振られた担当制だったと気づく
早く水をくださーい!という言葉を飲み込んで、レストラン従業員の様子を観察していました。
そうしていたら、あることに気づいたのです。
どうやらお料理を運ぶ人、ドリンクを運ぶ人、というように、係が決まっているようなのです。
しかもドリンク係さんはたった一人のようでした。
なので、オーダーが溜まっていて、私達のお水にまではまだ手が回らなかったということだったのです。
そういうことか…と気づいてからは、これ以上言ってもムダだとわかり、ひたすら待つことにしました。
そもそも水はドリンクなのか?という話もありますが、今回はそれを横においても、このレストランに対する私達の評価は、某サイトの残念な評価通りになってしまったのでした。
相手に判断を委ねないための一言の大切さ
その日は、残念なお店だった(他のことも含めて)という感想を抱いて帰ったわけですが、数日経って気づきがありました。
私がたまたま観察好きで察する人間だったから、その状況に気づいて「待つ」という選択をしたわけですが、他の人が同じような状況に陥ったとしたら、性格によっては声を荒らげた人もいただろうな、と思うのです。
彼らに足りなかったのなんだろう?と考えると、おそらくそれは、簡単な一言だったのだと思うのです。
「お水を持ってきて」という依頼に対し「はい」と答えるのは、正しいといえば正しいのです。
了解です、という意味だったのでしょうから。
ですが、「お水を持ってきて」という依頼に対する「はい」という答えは、依頼した側からすると一般的には「はい。お持ちしますね」という解釈になると思います。
なのに、言った本人が持ってくる気配も見せずに通り過ぎたり、ともすると端っこで店内を見渡していたら、「あれ?忘れてるのかな?」という不安を感じますよね。
では、もし「はい」のあとにもう一言あったらどうでしょう?
例えば
「はい。ドリンク係の者がお持ちしますので、少々お待ちください」
と言った感じです。
この一言があれば、彼は頼まれたのに持っていかないうっかりさん、というレッテルを貼られることもなく、ある意味ではドリンク係の人に責任を転嫁することもできたってわけです。
その一言は、簡単に言ってしまえば「配慮」と言われるもので、マニュアルにはないものかも知れません。
つまり、その一言があることによって、状況を観察して把握して大人しく待つのか、怒りに任せて怒るのか、という判断をお客様に委ねずに済むってことなのですよね。
わからなければ聞くだろう、は危険
自分自身が「わからなかったら聞けばいいじゃない」というタイプの方だと、起きやすいのかなーと思うのが、必要最低限のことしかお客様に伝えない現象。
お客様には様々なタイプの方がいます。
わからないことがあっても聞けない人、聞ける人。
わかりにくいと不安になる人、怒り出す人。
そんな様々なタイプのお客様に、できるだけ心地よさを感じてもらうためには、ほんの少しの配慮としての一言をつけることが必要なのだと思うのです。
あなたの商品を販売することができた時点で、お客様のあなたに対する信頼はある程度高まっているわけですが、購入後にもその信頼を持ち続けてもらうことが、お客様の満足度に繋がりますよね。
さらに、口コミなどの次のお客様へとつながっていく可能性を高めます。
例えばです。
「わからないことがあったら、いつでも聞いてくださいね」
とお客様に伝えることってありますよね。
その言葉は、『お客様に対していつも意識を向けていますよ』という姿勢を見せることになるので、とても大切だし、効果的なことです。
ですが、そこで終わってしまっていませんか?
実はこれだけでは不十分だったりします。
そこに一言「LINEで」とか「メールで」とか問い合わせ方法も付け加えてあげる。それだけでお客様はホッとします。
この人は「いつでも〇〇で質問に答えてくれるんだ」という安心感が生まれるからです。
「聞けない」「言えない」人を想定して、言葉を多めにするって、顧客満足度を上げるためには必要なことなのです。
配慮を加えた一言をそえることで、お客様との信頼関係を築き、顧客満足度をUPさせ、ビジネスをよりうまく回せるようにしていきたいものですね。